走った感じ


気分的な高揚感はないけどラクで疲れない



 下り坂ではモビリオほどエンジンブレーキが効かない印象があったが、それはエンジンが静かなためのようで、それほど下りでグングン速度が上がるってことはない。ACCを使用しているときは、設定速度+10km/h程度から積極的に減速非を上げてエンブレがかかるようになっている。
 モビリオのときはエンジンブレーキのためにSモードスイッチを使うことが良くあったが、Fitではスイッチ式ではなくシフトポジションとしてSモードがあるので、シフトダウンといった感覚である。Sモードに入れたときのエンジンブレーキによる減速のショックは穏やかで、同乗者に優しい。

 左足スペースはフットレストになっていて非常によろしい。

 ECONモードというのがあり、非常におとなしい動きになる。全く違うクルマになるといってもいい、しかし、クルマというものは体の一部になるまでその挙動が体になじむのが理想だと思うので、意図しない反応を示すパターンを複雑にするべきでないと思う。優しく走るなら優しく、あるいは危険回避の一瞬の判断において意図したとおりに加速する、そういう一体感が好ましい。もしECONを常用するならずっとそのままがいいと思う。

 コーナーでは車体がグラッとくる感覚がなく、とても慣性が小さく曲がる感覚。
 巡航しているときと、すこし強く加速するときのエンジン音の差が大きい。

 アダプティブクルーズコントロール(ACC)は便利なものだと実感した。
 特に定速走行するとき、制限速度をオーバーしないように、また後続車のために必要以上に速度を落とさないように走るのでとても気を使うものだが、ACCを使えばその両方から開放され、安全運転の余裕に繋がる。
 ACCの前車追従機能については交通量の少ない一般道でも十分に使うことができるが、減速・加速のスムーズさにおいて人間の右足ほど繊細ではない。また、追従する車間距離を最大にしても自分の感覚からはまだ足りず、もっと多くの車間距離を取りたくなってしまう。
 もっとも、前車追従機能は高速道路での使用をメインに想定されているのでしょうね。
 それから一般道でACCを使っているとき、前のクルマが左折していてその脇を通過するとき、意図せずに強いブレーキがかかることがあるので、前方に何か動きがあったときにはACCをキャンセルするようにしたほうがよい。

 雪が降っているときはフロントグリルのエンブレムに雪というか氷が付着し、動作不能になる。視界の悪いときこそ衝突安全機能が威力を発揮するはずだが、ここが惜しい。