ポジションライトのデイライト化


ポジションライトをデイライト化しました。
2021年5月8日
 ポジションライトをデイライト化しました。そもそも、純正のポジションライトはその目的から光量が抑えられており、明るい日中で目立たせるためのデイライトとして適していません。
 しかし自分がデイライトを必要と感じる場面は、日中でも雲が厚くて何となく薄暗いとき、日没まではまだ間があるんだけど遠くの信号機がくっきり見えるなぁと感じた時など、思わずスモールライトを点けたくなる場面なのです。このような場面では、自動点灯機能の感度をMAXにしても、日中の薄暗い場面ではなかなか点灯してくれません。しかも、手動でスモールONにしているとトンネルに入ったときにヘッドライトが自動点灯してくれません。これはストレスです。
 ポジションのデイライト化を実現するための既製品ユニットも販売されていますが高価で、配線も狭いところにエレクトロタップを施工するなど面倒らしいので、自分で工夫することにしました。クルマ側の回路がわかれば何とかなります。


 

 LEDヘッドライトの配線はこのようになっています。配線カプラは3個ありますが、このうち5本の線が入っているものの灰色の線がポジションライト用です。ここに+12Vをかければポジションライトが点灯します。

 レベリング用の3本のカプラにも灰色の線がありますが、これと間違わないようにします。

 ライトスイッチONに加え、エンジン起動でもポジションライトが点灯するようにします。既存の配線を切断し、IG(イグニッション)電源からの回路を割り込ませます。

 リレーで切り替える方法が基本なのでしょうが、ここはお手軽にダイオードを使用して回路を構成することにします。ここで使用したダイオードの場合、順方向の電圧降下が1.0Vありますが、ポジションライトはLEDであるため多少の電圧降下は問題にならないと思います。

 ところで、「エンジンかけたら点灯するんだから、スモールライトは考えないでイグニッション点灯だけで良くない?」と思ったあなた!そうでないんですね、エンジン止めてもライト点灯でポジション点かないとダメです。

 IG(イグニッション)電源のヒューズは24番の7.5Aヒューズなので、本来であればここに電源取り出し用の7.5Aヒューズを挿入してIG電源を取り出すところです。しかし回路を見ると25番にもIG電源が来ており、ここは不使用でヒューズが挿入されていません。せっかくなので、24番ヒューズはそのままにして、この25番に電源取り出し用のヒューズを追加挿入しIG電源を取り出すことにしました。

 さて一番の問題は配線通しです。車内からエンジンルームへ配線を通すには、いったんタイヤハウスを経由して助手席側に引き込む方が多いようです。しかしタイヤハウスのインナーを捲ったり何かと面倒なので、お手軽にエンジンルーム(ボンネットヒンジ付近)からフロントフェンダー裏を通して、フロントドアヒンジのあたりに配線を通しました。エンジンルーム側からメッセンジャーを突っ込めば通すことが出来ます。

 エンジンルームから通した配線は、ドアのウエザーストリップの下を跨いで室内に引き込みます。見た目が宜しくないですが、せめて目立たないように白い布ガムテープで留めてみました。

 R側ヘッドライトの配線には比較的簡単にアクセスできます。カプラを抜き、配線を巻いているテープを解き、灰色の線を露出させます。これを切断し、ギボシ端子を付けます。車体側にメス、ライト側にオスですね。その後適切に養生します。

 L側の配線は少し厄介です。目的のカプラを抜いただけでは配線を引っ張り出せません。ヘッドライト下部付近にワイヤハーネスを固定している箇所があるためです。樹脂製のクリップのようなもので留まっているので、手を突っ込んで何とかズラしながらこれを外し、ハーネスを引っ張り出してから灰色線を露出させた後、狭い空間で圧着ペンチを駆使してギボシ端子を付けます。

 今回のキモの部分です。一般整流用ダイオードを使って、ライト電源とIG電源の突合せ回路を作りました。これに防水のためのテープを巻いて完成です。回路は1個にして、両方のポジションライトをまとめてパラレルに配線する方法もありますが、なるべくオリジナルの回路を尊重するように、L、Rそれぞれに用意しました。

 上で作成したダイオード回路をオリジナルの配線に割り込ませ、養生のうえ配線の固定をします。

 写真はR側。

 L側も同様に、養生して配線を固定します。ちょうど、リレーボックスの手前に都合良く穴のあいたステーのようなものがあったので、ここに結束バンドで配線を固定しました。

 さて電源の取り出しです。IG電源の24番の7.5Aヒューズはそのままにして、やはりIG電源が出ている未使用の25番に、エーモンE574低背ヒューズ電源(5A)を差し込みました。

 最後に、エンジンをかけてポジション点灯を確認、また、エンジンを停止してライトスイッチONでポジション点灯することを確認しました。警告灯なども表示されず問題ありません。これのいいところは、走行中はデイライトとして機能するにもかかわらず、車両本来の機能には何の悪影響も与えないという事です。

 車検時などで純正回路に戻すには、IG電源を切り離すだけでOKです。

 因みに、フィットのヘッドライトは配線カプラを抜いた状態でライトを点灯させるとインパネに警告灯が点灯します。これをリセットするには特殊な操作が必要なので注意して下さい。