ハンドリング


うまくEPSに騙されてる?



 ハンドルは軽くスムーズ。Fit2やMC前のFIT3では直進付近の微小領域で不感帯というか渋さのようなものを感じたが、それがない。センターから微小領域にかけての手応えがスムーズでつながりがよい。
 旋回中も中立に戻ろうとする力が感じられる。

 舵を切ったとき、戻ろうとする力が働くのはいいんだけど、それがいかにも演出された戻りというか、本当にタイヤが戻りたがってる感じがないような気がする。ごく低速でノロノロ動いてるときでも、けっこうサイドフォースかかってるときでも戻る力はあまり変わりがなく、グリップ限界で重くなる感じとか、スパッとグリップが失われたときの軽くなる感じもない。路面がうねっていようがなんだろうが、切ればゆっくり戻りたがるし、真っ直ぐ走っていても乱されない。アイスバーンでも乾燥路面でもステアリングの手応えがあまり変わらない。
 でもこれが疲れない感じを生むんだろうと思う。よくジャーナリストが言う「ドライブの楽しさ」がない、っていうのはこういう感じなのかな。
 一見、いかにも自然に感じられるように味付けされたEPSは、最初はいいがじっくり付き合ってみれば、何か騙されているような気持ちもしないでもない。

 まあしかし、無いものねだりをしても仕方がない。コーナーを立ち上がるたびにハンドルを直進に戻してあげたり、直進時に常に修正する必要が無いだけでも、疲れなくて楽チンであるのは間違いない。
 これはあまり深く考えないようにしよう。